このレビューはネタバレを含みます
父親の独裁に始まり、父親への反発、父親のような支配力への渇望を経て一度は巨万の富を手にしどん底に堕ちた主人公。
彼女を淵からすくい上げてくれたのもまた、父親のように娘に厳しく、けれどとても誠実な人だった。
親と子の関係ってほんとうにむずかしい。
よかれ思ってやってることは往々にしてエゴだし、子の心に一生消えないわだかまりや偏った価値観を植えつけてしまうこともある。
それは人生を生き抜く支えでもあるし、呪いでもある。
主人公の父親が娘の身を案じて復讐の文字を口にするシーンに、彼女と同じく支配された娘として、子を持つ親として両方の面から共感しました。
愛があればなんでも許されるわけじゃないけど、愛があれば許せるものもあるんですよね。
一本筋の通った主人公にしびれました。
おもしろかったです。