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モリーズ・ゲームのkrhのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
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それにしてもジェシカ・チャスティン、よく喋り、弁が立ち、クスリをラムネのように飲み、眠らず、法廷にいる。「女神の見えざる手」と似ている描写があるのでどうしても印象が混同してしまう。

「権威のある男たち」をカジノオーナーという立場でまるで姉や母のように統率することで成功をおさめた彼女が、結局、弁護士のチャーリー、心理学者である父の「権威のある男たち」による救済のスピーチで、彼女は実質的にも精神的にも救われたというのは、皮肉でもありながら、本当の意味でひとりで生きてきてしまった彼女にとっての幸福な邂逅であったんだろうと思う。

地位も名誉もお金もなくなった彼女の「これからどうやって生きる?」という(実話だからこそ)ゴシップ的になりそうなところを、観客にとっても普遍的な着地点としていて清々しい。
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