七沖

バッド・ジーニアス 危険な天才たちの七沖のレビュー・感想・評価

4.2
〝まとめて合格、請け負います。〟
やってることはただのカンニングなのに、こんなにスリリングだなんて…!

特待生のリンは、勉強ができない友人グレースを救うため先生に気づかれないようテストの答案を彼女に教える。リンの優秀な頭脳とカンニングテクニックは瞬く間に生徒間で評判になるが、リンと同じく特待生入学したバンクは不正を見過ごせず…というストーリー。

テスト時間中、先生にバレないよう知恵と工夫と機転で挑む様子はかなりスリリング。最初のカンニングなんて、ホラー映画なんじゃないかと思えるくらい先生が怖い。
後半の頭脳の限界に挑戦するかのような暗記シーンは圧巻で、いい感じに要所要所でトラブルが起きる展開は観る者を飽きさせない。

キャラでいうと、やはり主役のリンの存在感が際立っている。最後まで諦めない意志力、凛とした眼差しは、カンニングなのに思わず応援したくなる。
反対に、リンのライバルにあたるバンクは周囲の人間によって人生を狂わされて不憫だ。ライトサイドとダークサイドの狭間で揺れるバンクとリンの様子は、スターウォーズのカイロ・レンとレイのようだった。

リンのお父さんは冴えない感じなのだが、最後までブレないいい父親だった。こういうキャラもカッコいいものだ。

当初ノーマークだったが、気づけば時間を忘れて観ることができた。単なる頭脳戦だけではなく、不正に向き合う信念も感じられる王道エンタメ作品だった。



あと、これは本当にどうでもいいことだが、グレースがずっと広瀬アリスに見えて困った。
七沖

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