eiganoTOKO

わたしは、幸福(フェリシテ)のeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

フェリシテのような、誰にも気を使わない、共感も求めてない、尖ったナイフ女が主人公ってだけで既存の世間から求められている「女性性主人公」から大幅にはみ出まくっててそこの評価は高い。
映画の特典ステッカーが、漫画家の南Q太でなにそれぴったりじゃね⁉︎とアガった。

特に、大金持ちの家に血縁関係を装い忍び込み、金を恵んでくれ!!という日本なら普通にお縄のシーンは、息子を助けたいのに世間からは徹底的に見捨てられたシングルマザーの根性、鬼気迫るものがあった。
床に転がりギャースギャースと見事な駄々こねくり!!!
同情するなら金をくれ!!!
まあ狂気なんだけど、コンゴにおける貧富の差はいかほどか、考えさせられる。

息子の事故や、詐欺、冷蔵庫の故障など不幸福なことが次々と起こる。
だからこそ、最後にずぅっと張りつめていた空気が、冷蔵庫がついに直った…!と思いきや直らなかった…!!というオチに、フフフフと変な笑いが起こる。
吹き出しちゃうフェリシテと息子と求婚したタブー。
お先真っ暗でも日常のなかに幸せを見つけて、幸せってなんだろねってことあるある。

そして既にクリシェすぎてうっとおしいほどに「幸せって心だよね」を強調するのではなく、誰がみてもクズかもしれないタブーが私にとっては一番気楽でいい、と。結婚はしないけどセックスはしてやってもいいよ、と性的なパートナー関係を結び、結婚もあるかもね❤️とマウントとらせないフェリシテは最高なのである。
それは私や視聴者が思う「幸せのかたち」ではない。
そして他人の幸せはわからない。
そこがこの映画の良いところ。

演奏を務めたカサイ・オールスターズとフェリシテの歌はマジで最高です。

でも流石に長すぎだし、すっごい眠かったのでこの点数。
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