ハレルヤ

V.I.P. 修羅の獣たちのハレルヤのレビュー・感想・評価

V.I.P. 修羅の獣たち(2017年製作の映画)
3.8
韓国で連続して発生した女性の誘拐殺人事件。その犯人は北朝鮮の高官の息子のキム・グァンイル。警察は逮捕しようとするも彼は亡命者である事を理由に国家情報員や保安省からの工作員からの妨害が入り捜査は難航。そして事態は思いもよらぬ方向へと進んでいくサスペンス映画。

「悪魔を見た」「新しき世界」のパク・フンジョン監督作品。主演はチャン・ドンゴン、キム・ミョンミン、パク・ヒスン、イ・ジョンソクという期待値が自然と高くなる監督主演の布陣。

まぁとにかくTHE 韓国サスペンスと言うのに相応しい仕上がりでしたね。胸糞悪さ、残酷さ、ヒリヒリした緊張感、全てのレベルが高い。

本作の特徴の1つは悪役のイ・ジョンソクの怪演。女性を拉致し凄惨な暴力を加えて、挙句の果てに家族まで殺害。身も心も痛めつけて最終的に本人も殺害する。亡命者の特権で自分が逮捕されない事をいいことに、そういった残虐な殺人を繰り返す。イケメンだけど狂気に満ちた内面を持つ役柄を見事に演じていました。

そんな奴を野放しに出来ないと徹底的に追い詰めようとする刑事役にキム・ミョンミン。チャン・ドンゴンのクールな佇まいは本当にカッコいいし、工作員のパク・ヒスンも存在感抜群。

4人の男それぞれの思惑が交差する形。誰が最後に笑うのかは見てのお楽しみです。ラストまで一気に突っ走るかのようにとにかくスピード感が秀逸。

同じ韓国サスペンスの傑作「チェイサー」を思い出す作風に切れ味抜群のアクションも用意されていて満足度が高い。飽きさせる間もありません。
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