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のみとり侍のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

のみとり侍(2018年製作の映画)
4.3
越後長岡藩のエリート藩士・小林寛之進(阿部寛)は藩主・牧野備前守忠精(松重豊)主催の和歌の会に出席するが、そこで運悪く忠精の機嫌を損ねてしまい、江戸の裏稼業・猫ののみとりをするよう命じられる。途方に暮れる寛之進は、長屋で暮らすのみとりの親分・甚兵衛(風間杜夫)とその妻・お鈴(大竹しのぶ)の元で働くことになる。猫ののみとりとは、猫ののみを取る職業だが、実態は床で女性に愛を届ける裏稼業だった。寛之進は住む場所も失ったが、子供たちに無償で読み書きを教える佐伯友之介(斎藤工)や長屋の人々の助けを借り、“のみとり”としての新しい生活を始める。ほどなくして寛之進は、亡き妻・千鶴にそっくりなおみね(寺島しのぶ)と運命的な出会いを果たす。おみねが初めての“のみとり相手”となるが、開始早々、「下手くそ!」と罵られてしまう。落ち込む寛之進の前に、妻・おちえ(前田敦子)に浮気を封じられた恐妻家・清兵衛(豊川悦司)が現れる。欲求に忠実な清兵衛に、寛之進は女の喜ばせ方を教えてほしいと頼み込む。その甲斐あり、寛之進の“のみとり”技術はめきめきと上達し、一人前になっていく。しかし、老中・田沼意次(桂文枝)が失脚すると、急遽“のみとり”禁止令が敷かれる。寛之進たちは一転、犯罪者として窮地に立たされてしまう。
小松重男の同名時代小説を映画化。
藩主の逆鱗に触れ「猫ののみとり」に落ちた寛之進が、女ったらしの元旗本の清兵衛に、女との密会のアリバイ作りの手助けをする代わりに、女の喜ばせ方を指南してもらい、一人前の「のみとり」になり、貧乏長屋の人々と助け合い暮らす中で、1人の男としての義に目覚めていくストーリーを、寛之進が様々な女性の欲求に向き合い、貧乏長屋の友之介の窮地を救う中で武家社会の理不尽さを知り、1人の男として成長していくヒューマンドラマや寛之進や友之介や清兵衛の友情や長屋の人々との絆を絡めてユーモラスに描き、古典落語の長屋噺や廓噺のような人情ヒューマンコメディとして楽しめるヒューマンコメディ映画。
無骨だが真っ直ぐな阿部寛、絶品の色男ぶりの豊川悦司、ツンデレキュートな前田敦子、きっぷの良いいい女の寺島しのぶの好演が、印象的。
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