このレビューはネタバレを含みます
レバノンのパレスチナ難民問題を題材にした法廷ドラマ。
"些細な口論"が、国家規模の裁判・騒動へと発展していく。
" No one has a monopoly on suffering."
レバノンの社会情勢に詳しくないので、序盤は理解に苦しむ言動が何度かあったが、後半二人の過去と共に分かりやすく説明されていく。
決裂も和解も、些細なことから。
故障したヤーセルの車を無言で修理し去っていくトニー。その後の二人の表情。自分達の当初の目的を越えて激化する裁判闘争に疑問を感じ始めていた二人。あの瞬間から、相手を許し始めていたのではないかな。
些細な出来事をきっかけに、人々の不満や敵対心が一気に顕在化する様子は『ドゥ・ザ・ライト・シング』に似ていた。
弁護士親子のエゴ・配慮のなさはいかがなものか。
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