サラリーマン岡崎

グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブルのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

4.3
全てを兼ね揃えている尊敬する男、
グザヴィエ・ドラン。
彼の監督としてのものづくりのノウハウを教えてくれるドキュメンタリー。

作品ごとに様々なことを学び、挑戦していく過程が語られるが、
その中で音楽の使い方がとても印象的。
彼自身も音楽を聴いて、いろんなアイデアが浮かんでくる(『わたしはロランス』の母親の言葉が浮かんできた場面は、ドキュメンタリーの中のリズム感も相まって、ヤバすぎ)というし、
現場でも音楽を流すことで、スタッフもリズム感のある画が取れるようにしているというところがとても素敵だと思った。
どうやったら、人がクリエイティブになれるかを考え、環境を作るって…
これを編み出したのは20歳くらいの時でしょ…
天才もうすごすぎついていきます。

そして、最終的に語られるのは、
彼の天才的な感性だけではなく、人間性。
謙虚に批判も受け入れ、直していく姿勢。
そして、スタッフ・キャストを気持ちよくチームとして一丸とならせる雰囲気づくり。
彼も性とのなかで、苦しんできたからこそ、
そういうものづくりになったんだろうな。

1時間で彼のノウハウを十分に吸収できる、
とてつもなくお得な1本。