回想シーンでご飯3杯いける

ジョニーは行方不明/台北暮色の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.5
台湾の女性監督ホァン・シーによるデビュー作。台湾には少し前の日本を思い出させる風景が多く、それを上手く捉えた作品にいつも魅了される。本作も、少しノスタルジックな雰囲気がある下町を舞台にした作品で、男女と少年の3人の生活が、それらを包み込む街の姿と共に描かれている。

作品内では、3人が何か事件に遭遇する描写は無いのだが、その会話の端々から、各々の過去が少しずつ明らかになっていく。もしテーマは何か?と問われれば、僕は「人と人との距離感」と答えるだろう。そんな感じの淡いトーンの作品だ。

街の片隅にある人形劇用の舞台は、先日鑑賞した「無聲 The Silent Forest」にも登場していたような、、、、? あるいは台湾の下町では多く見られる光景なのだろうか。とにかくロケ地となった下町が魅力的で、大満足な作品である。