「動かす」のは自分次第
舞台は栃木県那須烏山市。2040年には人口が2万人を切ると予測されるこの土地で生まれ育った女子高生の佑香と由比。コミュニティFMの立ち上げに参加することで地元の深刻な問題を知り、町おこしを決意する。
ラジオ番組から生まれた長編映画という一作。
台本を渡されているのは役者だけ。
オーディションで抜擢された2人の女子高校生と地域の人々に関しては完全にドキュメント。なんとも不思議な感覚でした。
伝統のあるお祭りも豊かな自然も深刻な担い手不足には太刀打ちできない。たった16年この街で過ごしただけの少女が徐々に人々を動かす様子はぐっとくるものがありました。
ぶつかって立ち止まって悩み倒して、涙する。普通にできてたはずなのに、大人になってできなくなっていることに気付かされる。
決して華やかでもバラエティに富んだ作品でもないけれど、澄んだ気持ちにさせてもらえます。
彼女たちみたいに顔つきの変わるきっかけを得られるってすごくいい経験だ。
舞台挨拶にて俳優さんたちの苦労もふまえて作品を堪能できたのでより満足。