spica

共犯者たちのspicaのレビュー・感想・評価

共犯者たち(2017年製作の映画)
4.2
隣の国のことと思えなくて…
救われたのは記者の方々が団結して立ち上がったこと。
それだけ政府の介入、上層部の忖度がひどかったということだとは思うけど、日本はどうだろう。心もとない。
でも、それは記者だけのせいではない。森達也さんがおっしゃっていることだけど、国民の応援、支持があれば記者は頑張れる。もし、頑張れていないのなら、国民のせい、国民に見合ったマスコミしか持てないということ。マスゴミ、と言う前に、例えば、東京新聞の望月さんや忖度せず降板に至ったと言われるキャスターたちを支持する姿勢を強く出せたかどうか。多分弱い。忖度しているであろう番組に強く不満を表しているか。多分弱い。そういうことだと思う。
韓国の人たちの激しさ(というのは語弊があるが)、権力者に負けないパワー、団結力にはいつも憧れを感じる。
日本人は大人しすぎると思う。長いものに巻かれやすい。威張る権力者側について、自分も偉くなっているような勘違いしてる人の多さ。
テレビ局を辞めさせられ、その後病を得てしまった記者の「暗黒の世に沈黙しなかったことに意味がある」という言葉に、堂々と信念を貫かれた強さを感じた。人に恥じない生き方。
その逆で、申し訳ないが、権力の言われるままになる上層部の人たちの情けなさよ。息子や娘に恥ずかしくないのか。死ぬ時に悔いは残らないのか。
そして、私たち。沈黙は同意となる。意思表示をしなくてはと思う。

12月に東京で見そびれ、4ヶ月待って横浜まで見に行った。1週間の上映で、日に1回。もっとたくさんの人が見る機会があればいいのにと思う。
spica

spica