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サニー/32のKUBOのレビュー・感想・評価

サニー/32(2018年製作の映画)
3.0
1月4本目の試写会は白石和彌監督「サニー/32」完成披露試写会。

これ、北原里英、よく引き受けたな〜。

白石和彌といえば「凶悪」を始めとして「バイオレンス」という印象が強いが、これはもう「変態バイオレンス」映画ですね。

上映前の舞台挨拶で、ピエール瀧いわく、白石監督は「サディスティック・ハムスター」! さらに北原里英を舐めるシーンがあるので、ファンから「北原里英はどんな味がしたか?」って聞かれたらどうしよう、とか、自ら炎上を期待するようなコメント多数。

門脇麦が「どのキャラクターにも感情移入できない」と言えば、他のキャストも口を揃えて「何度脚本を読んでも、どういう話なんだかわからない」「監督がどこを目指しているのかわからない」とコメントし、冗談かと思いきや、リアルだったりする。

11歳の時に友だちを殺して、「犯罪史上、最もかわいい殺人犯」としてカルト的人気をはくした通称「サニー」が成長した姿を演じるのが北原里英。

ピエール瀧とリリー・フランキーという二大「凶悪」おじさんに拉致され、殴られ、舐められ、アイドルとは思えない汚れ役、過酷な撮影に挑んだ。この役は相当な覚悟がいったことだろう。あまりに過酷でカットがかかった時に本当に泣いていたそうだが、それも無理ないと思えるだけの恐怖感が画面からも伝わってくる。

ただ、この後の展開は今までの白石和彌からは想像できない。ネタバレ禁止的な作品なので詳しくは触れないが、いい意味でも悪い意味でも見る者の予想を覆す奇天烈な展開。バイオレンスだけではなく、かなり「変態」且つ、けっこう笑える場面も。

現実の世界での殺人事件でもそうだが、人を殺す者にとって殺人に理由などないのかもしれない。
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