凪子

さびしんぼうの凪子のネタバレレビュー・内容・結末

さびしんぼう(1985年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

道端でふっと思い出す映画。
別れの曲がどこからか聞こえてくると、なんだか自分の初恋を思い出すように、この映画を思い出す。
物語としては直球で、初恋は親の面影に似る、というのを時にはコミカルに、しかし少し甘酸っぱく切なく…別れの曲に乗せて描いている。のだが、少年の目線で見せる尾道の風景を、たっぷりと使っているところや、ファインダー越しに見る〈さびしんぼう〉が、自分の学生の頃の景色のように網膜から離れない。少年の思い出を私自身が持ってしまっているように思える、それは、私の初恋の〈さびしんぼう〉と少年の想いが写すファインダー越しの〈さびしんぼう〉が、重なり合って、一つになっているからだろう…。
凪子

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