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ほえる犬は噛まないのsakimrmtのネタバレレビュー・内容・結末

ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

悪には罰を与える映画って多いけど、この映画は罰を与えないし、懺悔さえもさせてくれない。それが良い!

よく考えたら普通、人生ってそういうものだよなと思う。
みんなある程度の悪を内に抱えて、悩みながら生きてるはず。一生答えは出ないし解決するはずがない。
こんな複雑な感情、描こうとすることがすごいし、表現できてるのもすごいし、どうやったらこんな映画が作れるんだろう🤔

ぺ・ドゥナさんが演じるヒーローに憧れる一般市民の呑気で陽気なキャラクターが良いスパイスになっていて、この子の存在が観客にとっては入口になり作品をより明るく楽しく見続けることができる。

ラストの方で貧しい母子に賄賂の札束から一枚のお札を差し出すシーンは主役の心の葛藤が伝わってくるすごいシーンだなと思った。
金の重みの対比がなんとも言えない嫌な余韻を残す。日常生活の中で見ないようにしてきたものを見せつけられた感じ。

エンドクレジットも良くて、軽快な音楽を流しながら、誰もいない道もない森を登って行くっていうのが、これからの人生を前向きに表してるようで素敵。
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