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ほえる犬は噛まないのMrTomatoheadのレビュー・感想・評価

ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)
3.8
なんだろうか。
この独特な空気感、不思議な世界観を醸し出してるのに、あくまで日常生活の何気ないひと時をキャラクターたちは過ごしている。
それぞれの人生がひょんなことから絡み合ってくるんだが、結局はそれぞれの人生に回帰していくっていう、ほんとにごくごく普通のことが描かれている。
そんな中で子犬失踪事件を皮切りにそれぞれが交錯するのが不思議な空気感を作ってる。

パラサイト然り、何かしら後引く描写が多いのもポンジュノ作品の特徴とも言えるのかもしれない。
今作では、わりかし出てくる黄色。
管理事務局に来た小学生、レインコート、ペドゥナが演じた主人公ヒョンナムのパーカー。
んでもってここでも来たか、地下!
地下というロケーションが身分階層を表現する上で重要な役割がある。
それでいて屋上というロケーションも合わせることでなおさら鮮明に風刺される。

社会風刺作品を作るのがうまい。
それでいてコミカルでビビットなキャラクターたちがめちゃくちゃ映えてる。

これがデビュー作か、恐るべしポンジュノ。
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