イスラエルの名匠サミュエル・マオス監督が、実体験をもとに運命の不条理や人生のやるせなさを描いたミステリードラマ!
テルアビブのアパートで暮らすミハエルとダフナ夫妻のもとに、軍の役人が息子ヨナタンの戦死を知らせにやってくる。ダフナはショックのあまり気を失い、ミハエルは平静を装いながらも役人の対応にいら立ちを覚える。やがて、戦死は誤報だったことが判明。ミハエルは怒りを爆発させ、息子を呼び戻すよう要求するが…。第74回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞（審査員グランプリ）を受賞。
今もなお紛争が続くイスラエルの実状がひしひしと伝わる作品! 戦死を告げられた息子が実は生きていることが分かり、父親はそんなデタラメな軍への怒りから、息子をすぐに帰還させるよう求める。それ自体は親として当然のことをしたに過ぎないが、それが思いもよらない事態を招く。これは誰のせいでもなく、常に戦時下におかれている“イスラエル人の定め”と言うべきものだが、それを個々人の運命と割り切るにはあまりにも切ない。
Foxtrot (原題)。必ず同じ場所に戻ってくるこのダンスのように、今日も世界中で戦争によって人生を翻弄される人たちが跡を絶たない…。
