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狼/男たちの挽歌・最終章の一人旅のレビュー・感想・評価

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)
5.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジョン・ウー監督作。

無実の女を巻き添えにした罪悪感に苛まれる殺し屋の壮絶な闘いを描いたアクション。

ツイ・ハーク製作、ジョン・ウー監督&脚本、チョウ・ユンファ主演の香港ノワールで、邦題には「男たちの挽歌」と明記されていますが本家シリーズとはストーリー上何の関連もありません(“最終章”の意味が不明)。単純に監督と主演が同じという共通点だけで、日本の配給会社が本家シリーズに便乗した邦題を付けて売り出しただけの話です。ただ本家「男たちの挽歌」シリーズとは無関係な作品とはいえ、ジョン・ウー&チョウ・ユンファの再タッグ映画とくれば、観客の期待通りジョン・ウー印の銃撃アクション満載な男気みなぎる香港ノワールに仕上がっています。

無実の女を失明させてしまった罪悪感に苛まれる主人公の殺し屋と、口封じのために彼を抹殺しようとする犯罪組織の壮絶な闘いを、主人公と相棒の義理と友情や、主人公を追う刑事との友情&共闘を絡めて活写しています。主人公と彼が原因で失明した女の保護/被保護者の関係性も描かれていますが、ヒロインの女優さんが魅力不足な点もあってなかなか興味の湧かない仕様になっています。俄然、作劇の軸となるのはジョン・ウーらしい二種類の“男同士の友情”であって、主人公とヒロインの恋愛関係への発展を細かく描写していないことからも、男の凶暴な世界を描き続けてきたジョン・ウー監督の気概が伝わってきます。

ご察しの通り本作最大の見所は壮絶を極める銃撃アクションにあります。ジョン・ウーのアクションセンスが炸裂した苛烈な銃撃戦は、教会で迎えるクライマックスで最高潮に達します。“装填数&リロード無視”な銃撃の雨あられは迫力&火薬量万点で、ノワールらしい壮絶な結末もパンチが効いています。
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