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マリア・ブラウンの結婚の海のネタバレレビュー・内容・結末

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画の入りからぶっ飛んでて良すぎて泣きそうになった。爆発の音がとどろき、建物は倒壊の最中に、結婚証明書にサインするワンシーン。その絵面に重なるように赤い字が増えていって、戦争で流れた血が溢れ出すようだった。

とにかくマリアが逞しい。自分の考えや行動に自信があり、はたから見たらぶっ飛んでるけど、底知れぬ自信と強さが羨ましくも魅力的で、周囲の人を惹きつける。
夫以外の男と関係を持つも、きちんと夫のことは別枠で愛してるのも伝わってくる。戦時下や戦争直後の時代、愛がどうのよりもまずは生きていかなければならない。愛人になることで将来愛する人と豊かに生きていけるのであれば、マリアにとっては大したことないのだろう。
私もこの割り切りった価値観で逞しく生きたいと思った。結局主体的に我が道を生きた人が満ち足りた一生になるのではないかと改めて思う。

最後の方は「頭痛がする」と言っていたり、疲れているように見えたりと、ここまで頑張ってきたことや愛人男の死がこたえているように見えた。そのタイミングで夫の帰還!ナイス!と思ったけど、突然の展開に嬉しいような困惑するような姿に、見てる私もこれでいいのか?と悩んでしまった。不安を落ち着かせる煙草が...

説明するのが難しいけれど、パッと弾けるように生き死んだことが、美しく憧れてしまう。
絵面も音もダイナミックで、笑ってしまう要素もありで大満足の映画だった。
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