ハル

マリア・ブラウンの結婚のハルのネタバレレビュー・内容・結末

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

プリンセスメゾンなどもそうだけど女が家を買う話、大好き。

戦後が舞台ながら、公開年は78年なので、きっと第二波フェミニズムの流れを汲んでいるのだろうなと思える、底流にその価値観を感じられる映画で、まずそれが嬉しかった。
いろいろな見方があるだろうなと思うし、マリアの自立性やその結果を肯定することは資本主義におけるマッチョイズム的価値観の肯定になるかもしれないけど、でもそれでも、痛快な程にきっぱりと自立して、キャリアという元来男社会であったはずの場所で完璧にのし上がっていくマリアの生き様は観ていてエンパワメントされた。しかもそれが、キャリアそのものに意義を見出しているのではなく、むしろ手段で、理想の「結婚生活」をかなえるためという目的意識の元、首尾一貫しているのもおもしろい。非常に自立的なマリアが言う「あなと一緒に生きていきたい」は、とても現代的な結婚の価値観に感じて、それもこの映画を好ましく観られた理由の一つ。
キャリアが成功するにつれて華やかに、美しくスタイリングされてゆくマリアの衣装もすごく好きだったし、壁と壁の間、ドアと壁の間など、奥行きを使ったフレームワークでばちばちに構図を決めてくるのも楽しすぎた。
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