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マリア・ブラウンの結婚のmat9215のレビュー・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
3.0
普通の映画なら数本分くらいの材料が詰め込まれている。結婚生活の開始がさまざまな事件で引き延ばされた末に、やっと成就するに至って強引に終了する。意志をもった女や戦後ドイツ史に関わる寓意が込められた数々のエピソードを露悪的に描いて観るものを挑発する。見事な表現は多いものの、そうした趣向がストレート過ぎて好みではない。なお、自分の意志で自分の性を行使する女性像は、ランティモスの『哀れなるものたち』が周回遅れで描いている。そこにハンナ・シグラを登場させたのは先行作への敬意を素朴に表明していたのだろう。
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