Haman

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のHamanのレビュー・感想・評価

4.0
予告で何度も見た全裸オババのダンシング忍び足!ベバリーが扉を開けてあの婆さんがこんにちはした時の待ってましたと言わんばかりの高揚感がすんごい。嬉ションしそうだったマジで。

大人になったルーザーズの見た目もそれぞれが子供時代の面影を感じさせる姿で、その中でもスタンリーが抜きん出て一番似ているという皮肉。
ペニーワイズが「みんな大きくなったねえ」だなんて言ってて、お前は親戚のおばさんかよとなるんだけど正直そうなっちゃうのも納得な完璧すぎる配役なのです。

彼らが再会する中華料理屋でのフォーチュンクッキーの件なんかは、1990年のテレビ版映画をそのままアップグレードした感じで痺れた。
デリーに戻ってきたことで彼らの子供時代の記憶が蘇ってきたのに呼応するように、自分の中で薄らぼんやりとしていたテレビ版の記憶も蘇ってきて一緒にルーザーズと再会してる気持ちが味わえてすっごいワナワナした。こういう追体験ってリブートだったりリメイクだったりの醍醐味なんじゃないかしらん。それにしてもあの中華料理屋のスタッフのお客様対応は神である

どうしたってルーザーズのスターティングメンバーが多く、それぞれが思い出の品を見つけるためにトラウマと向き合うシークエンスは、前作でも感じたルーピン先生の授業でリディキュラス待ちをしてる生徒の感覚が否めない。
だけどもババアのダンスもペニーワイズの顔芸もイカしてたし、生首に虫系の足が生えるっていう物体Xな見た目が性癖にズキュンときたので全てがモーマンタイでした。

オチに関してもテレビ版のオチを初めて観た時の電流が走る感じ、本気で開いた口が塞がらないあの衝撃は全くなくて上手く纏まってたように思われる。まあそれがちょっと寂しくもあるのだけど…
色々思うところもあるので手放し称賛は出来ないのだけど、最後の手紙の内容だけでも観て良かったなあと思える終わり方だった。考えてみたら前後編で5時間超えだもんね。終わっちゃたなあっていうドラマ的な余韻がかなり強く喪失感もちゃんとあったので素敵な映画体験でありました

S・キングのカメオ出演は事前に聞いてたからすぐに分かったのだけど、あんなにガッツリ出てたドランにはまったく気付かなかったです、はい。あとシャイニングパロディの唐突すぎる、そこで?な感じはすっごい馬鹿っぽくて好き。
直近で観た映画の重要ポイントが3連続で下水道だったんだけどアメリカ人って下水道好きすぎない???
Haman

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