mai

ニューヨーク 最高の訳あり物件のmaiのレビュー・感想・評価

3.3
オンライン試写会で!

結婚10年目にして離婚を言い渡された40歳のジェイド。シェイドは自身のブランドを立ち上げていますが、その出資は夫でした(つまり、これが慰謝料の代わり・手切れ金)。離婚を言い渡され、しかも自分よりもかなり若い女性になびいたと知って落ち込むジェイドですが、未だに愛しているんですね…そんなジェイドの元に夫の前妻が家の半分を所有する権利を主張し、そのまま住み着きます…。

とにかく何もかもが対称的なんです。
性格・趣味…ニックのことが好きだった・ニックに捨てられた、それくらいしか共通点がないんです。笑

正直、何がしたいのかイマイチわからないまま終わってしまって、不完全燃焼感が凄いです。
ジェイドのイライラや気持ちは分かるけれど、話の流れ的に復縁を言い寄られてもこっぴどく怒り散らして突っぱねる…んじゃないんだ?と驚きます。
そして、マリアのやりたいことは最後までさっぱり分からないです。ジェイドを諭す役として登場したのならば、もう少し冷静(例えば彼女の娘のように)な役であって欲しかったです。孫は元気すぎて常にイライラしてしまいますし。

ジェイドは愛に悩んでいるし、マリアはマリアで「働きたかったのに働けなかった」という思いが未だに心に残ってるわけです。そんな、心残りがありまくりの頑固2人のやり取りは観ていて疲れるしイライラします。
なにかスカッとする場面があるのかなぁとか思っていても、最後は謎の大団円で終わりますし。

ストーリーの発想は面白いけれど、キャラクターの深掘りが全体的にイマイチで、主人公2人については「辛かったんだ、かわいそうだな」とは思っても、共感するまではいかなかったです。
娘・孫に関しても、孫はまぁ元気すぎるし、娘も態度ころっと変えすぎじゃない?と思うし、何より親子2人でジェイドのわからないドイツ語で喋るシーン…2人きりで部屋で話すとかじゃダメだったのでしょうか。個人的に、ああいうのって凄く嫌いだし、ジェイドに言ってやりたいのに、勇気もなければ争う気もないから、本人の前で本人のわからない言葉で悪く言うって…もうちょっと性格の清々しいキャラクターであって欲しかったです。
あと、惜しいと思ったのが、彼女のオフィスで働くスタッフ2人です。彼らが一番冷静で、一番ジェイドに寄り添ってくれてたと思うのですが、彼らの心情というか立ち位置?がよくわからなかったです。2人に「自分はこう思うよ」的なのを軽く語らせるシーンとかあっても良かったのではないかなと思いました。常に「こうするしかないよ」みたいなアドバイスばかりで、彼らの人となりが見えてこないのは残念でした。

映画に出てくるセットや衣装はどれも魅力的で、役者の方もピッタリと当てはまっていました!

個人的にはもう少しコメディ感強めで、もう少し建設的な話し合いをしてくれる方が好きでした…。
mai

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