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ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へのkaoのレビュー・感想・評価

4.0
いまだに私のベストワンの映画
『グランブルー』のルーツ、故ジャック・マイヨール。
しかもナレーションもグランブルー主演のジャン・マルクバール。確かにジャン・マルクバールさんもイイおっさんになりましたのぉ…でも優しい瞳は当時のまま。こうして同じ年月を重ねてスクリーンを通じて観ることができるなんて、あぁ嬉しい!ジャン、長生きしてくれてありがとう。せっかくなら夏公開だったらもっと海の深い世界に浸れて涼めたんじゃないかなぁ~公開時期、大事!😏

カンヌ映画祭の当時のリュック・ベッソン監督やコケティッシュなロザンナ・ アークウェットの映像もちらっとあって懐しかったし、カワウソと戯れる素のマイヨールさんの映像は心なごんだなぁ。
元来ほんとに優しい いくつになっても少年みたいな人だったんだろう。
小さな頃の写真数々もあり、こんなに日本のあちこちの海に親しんでいたこと、各地に今も生きておられるマイヨールさんとたくさん言葉をかわした日本の友人たちが何人もいたなんて知らなかった。幼少時にどんな場所で何に夢中になって過ごしたか、その経験はその人のベースになるんだね。

しかし、そもそもなぜ潜るんだろう…?
そこに海があるから?(笑)
登山もそうかもしれないけれど、
"ここではないどこかへ行きたい" という欲求というか、、、自分の居場所はここではない、という感覚というか、マイヨールさんは海とイルカに魅せられて以来、生きている限り ずーーーっとそういう感覚でいたのではないかなぁ…
人間として生まれたけれど、どうしようもなく海へ魅了されていく、でも自分の肉体は人間。その心の空洞を埋めることが唯一潜ることだったのかなと。
家族にとっちゃいいお父さんじゃなかったかもね…。海にしか興味なくて元来のさみしがり屋さんだったから 女の人にも惚れっぽかったりする。でも自分の孤独はそんなもんじゃうめられないってことに いよいよ晩年に気づいて "ああ、もう地上にはいられない、ここではないどこかへ行くしか自分は満たされないのだ"と、、、結果…自分で地上の生活に幕を降ろしたのかも…。
グランブルー本編のラストシーンと同じじゃないか…
もし命を絶つ彼に言葉をかけるとしたら
ハナムケの言葉として彼の手をそっと包んで言おう。
おつかれさま…
いってらっしゃい マイヨールさん…

"Go, go and see my love" 🙂
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