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52ヘルツのクジラたちのkaoのネタバレレビュー・内容・結末

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

んー、、、もやもやしておる。
杉咲花さんは圧倒的表現者だし、原作もよいし、でもいくつも気になるというか違和感あるシーンがあって感情移入できなかった。今日の私にはフィットしなかったなぁ、すんません。
成島監督の作品は以前に吉永小百合さん主演の「いのちの停車場」を観たことあって、そつなくまとまっている感じだったのだけど、今回も予告編見た時から同じような予感があって。でも本作も安定の杉咲花さんと志尊くん、他のキャストの方々もみんな好きだったしポスターの感じとクジラというワードで惹かれて珍しく原作読んでから拝見。クジラのエピソードも素晴らしいし俳優さんも素晴らしかった。なのに、である
。まあ私の違和感は個人的なものなんでネタバレカンベンの人はここから先は不要なら見逃してくださいまし。

違和感あったシーン
・ヤングケアラー時のキナコのロングヘアー(何となく不自然)

・52のロングヘアー(何となく鬘感。束ねているほうがまだよい。)

・池谷のぶえさん、琴美がイッチャンにした酷いこと、52の前で聞こえてるのになぜ喋る?辛すぎるよ…

・宮沢氷魚くんは役回りとしては
よくモラハラ専務役をやりきったなぁと思う。ゴージャスな焼肉のお店でのワインで乾杯のシーン(グラスあてて音?)そしてア~ン。

・キナコとの事が親と婚約者にばれてからの専務の号泣&アンさんのお母さん土下座シーンからのアンさんの叫び

怒り=叫び それしか表現としてはないのか?叫びすぎ。逆に引いた

・瀕死のぐっさりキナコに逝くなー!の専務の叫び

・ポスターにもなってる実に気持ちよさげなウッドデッキ。キナコはいつも素足。でも後半キナコの隣に幻のアンさんが現れるシーン。アンさんの足元、スニーカーだったような…。ポスターでは素足なのに。

・友達の美晴。小野さんはとても好きな注目の俳優さんなのだけどラストの「親友だと思ってる」っていうセリフ、引っかかる。私はちと歪んているので親友という言葉をあからさまに言う人はどことなく信用してないとこがあるので、アンさんのセリフのように「キナコのことは本当に大事に思ってる」という言葉の方がじわったと思う。

・倍賞美津子さんのシーン短過ぎてもったいない

・エンドロールの主題歌、あんなに明るい感じでそつなくまとめてよいのか何となくしっくりこなかった…
(曲はステキ。組み合わせの問題)

・52が初めて発するシーン、あっけなさすぎて。
前に見た「バジュランギおじさんと小さな迷子」という作品のラストを連想して期待しすぎてしまったな…声を失った少女がラストでバディ役の名前を呼ぶ感動的なシーン

すんません、さんざ書きましたが、
でも一番ズシッと残ったアンさんのセリフがあって「家族は呪いになったりすることもあるから。その時は逃げていい」
条件付きの愛情は愛ではない。
コントロールというのだ。
一番大好きで認めてほしかった自分のルーツである母を断ち切って
逃げるのは相当な罪悪感を伴う。

誰しも、みんなそのままでありたいのに、それができない。

本作のおかげで町田そのこさんという作家を読むきっかけになった。
2冊目「夜明けのはざま」を読んでみたい。
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