あまりにも動かないアニメ。なのにクソ成立してて、しかも面白い。アニメを作ったことがある身として、気づきを得まくれた作品。人物の陰影は無いわ、コマ数は足りないくらいだわで、声優もやたら淡白。顔ぐらいデカイ目をした２頭身３頭身の女の子が「お兄ちゃん！」ってキャワイイ声で心をくすぐる日本の主流アニメとはまるで違い、登場人物が揃いも揃ってローテンション。でも哀愁がすごいのよ。実写で死ぬほど見たことがある「大金をめぐるヤクザとチンピラの奪った盗られた」をあえてこの形でというセンス。その全てが実写で描けることを“わざわざ”アニメでやってるこの監督の野心が個人的にツボすぎた。でも決してアート映画なんかではなく、ちゃんとエンタメを転がしてる。シコってない。シてくれてる。おかげでイッたわ。あざした。新千歳でやる新作。死ぬほど観たい。
