BS松竹東急銀座シネマにて視聴。
主人公とそのお相手の若者の心のやりとりは恋なんだかなんなんだか、最後まで曖昧でよくわからなかったし、主人公の書く詩もまるで手紙のようで心に響かなかった。
けれど、劇中に出てくる男子小学生が作った
「愛とは一つしかない餃子を譲ること
バスの窓越しに君の姿が浮かぶこと
花の香りを君にも嗅がせたくなること
校庭で君を想い腹を抱えて笑うこと
登校中 君を見ると胸が高鳴ること
君が駆け寄ってくるとなぜか逃げたくなる
こと」
という詩には、ギュッと心を掴まれた。
『校庭で君を想い腹を抱えて笑うこと』
これを愛と呼ぶこの男の子こそが詩人で、こんなふうに感じることこそが恋。
この映画の中でいろいろと事情を背負う大人たちがしてるのは恋ではなくて、満たされない自分の心のどこかや生活苦をその人で埋めようとする自己愛にすぎないんじゃないかしらと、この男の子の詩との対比で思わされる。
映画全体としての評価はつけにくいんだけれども、この男の子の「詩人の恋」に星3つです。