雨宮はな

もったいないキッチンの雨宮はなのレビュー・感想・評価

もったいないキッチン(2020年製作の映画)
2.0
きっかけの作品、小学生以下とその保護者への啓蒙にはドンピシャ。
それより年齢上だったり企業で働く“現代人”からするとどうかな?

「フード・ロスはシステムに問題がある」というのは同意するが、否定するだけでそのシステムが無くてはならない理由には触れない。
そのシステムの上で成り立っている企業側の話は聞かないで個人の感情と価値観をベースに言動をとるのは、撮れ高のためなんだと思いたい。

ある人の「今の母親は落ちたものを“汚い”からと絶対に食べさせないけど、三つ子の魂百までで慣らして育てれば私みたいに丈夫に育つ」という意見はご自身のお子さんだけにとどめてほしいものだし、
NAで紹介された「世界的にも昆虫は生産するのにお金が少なく済み、高たんぱくで食用に考えられている」といった内容のシーンは、だったらその関連施設をインタビューするべきだった。

自分が楽しみながら様々な人や考え、方法に触れるというのは旅程を汲むうえで良い手段だと思う。
だけど、結局いいたいことは?
それっぽい人たちを集めて「もったいない!」って言ってればフード・ロスはなくなるのか?
ゼロ・ウェイストに近づけるのか?
今のままでは自分が知りたい活動をしている人のインタビューをつないだ、ただの旅行記でしかない。

この作品を観たのはイベント上映の時でスクリーン前を子供がウロチョロして集中できないシーンがいくつもあったのが残念。
きけば地域のご家庭への啓蒙が今回の主目的だったようで。
私が異質要素なら仕方ないかあ…と思うけど、ちゃんと観たかった。
個人的には無料上映かサブスクの見放題がちょうどいい作品。
雨宮はな

雨宮はな