べに

もったいないキッチンのべにのネタバレレビュー・内容・結末

もったいないキッチン(2020年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

取り扱うことの意義は分かるし、廃棄食材を利用して食事を作るのも面白いとは思う。映画としてはありだけれど、描かれてる、というか話の進め方には一部賛同出来ない、観ていてイラついた部分もあった。

「廃棄食材」と一言で言っても、確かにバリエーションがあるんたな、ということは分かった。

・コンビニやスーパーでの消費期限切れ/間近なもの
・福島県産地ものの放射線濃度の問題(数値的には安全なのに、福島産=危ない、と思ってしまう風潮)
・調理廃材

確かに消費期限間近といって、まだ食べれそうなお弁当やパンが廃棄されてしまうのは「もったいない」と、それは私も思う。

だけれども、大手コンビニ経営企業の役員に「まだ十分食べれるのに」と言って廃棄用に分別したものを開けて食べちゃうのは、やり方として間違ってると思う。

「消費期限」は、そのコンビニが「この食品を食べたことが原因での食中毒が、『絶対に』起こらない日数」を計算して定められていると役員は説明する。
この日数を過ぎたら、この彼は何ともなくても、(全国コンビニの一日の来店者数4,783万人の内)誰か一人は食品毒になるかも知れない。
日本のコンビニは、その一人も出させない経営をしている。
それを、「もったいないと思いませんか?思うでしょ?」と言って、期限切れ商品を口にするなんて。
ここのやりとりは観ていてとても不愉快でした。

ここのテーマでの問題はコンビニでも消費期限でもなく、私は、日本人の「新しいもの好き」な感覚だと思う。
加工食品がスーパーに並んでると、店頭に並んでるってことはどれも「安心期限内」なのに、それでも陳列棚の奥から消費期限の先のものから買いませんか?私はそうしちゃいます。
消費期限の制度を廃止し、人間としての感覚で食べられるかどうか決める、日本全体がそう言うことにでもならない限り、コンビニやスーパーだけで解決できる問題ではないと思います。

買ったあとに、自宅で消費期限を切らしちゃった、でも食べれるから食べちゃおう、は自己責任でいいと思うんです。
後半の福岡での、家庭の冷蔵庫から要らないものを頂いて調理をする、というテーマがありましたが、
ここでも消費期限切れの加工食品や調味料が提供されてて、それを調理に使い、無事に食べてました。
これは全然いいの思います。




九州の地熱を利用して食材を調理したり、野草料理を研究提供されてる方との話は、内容は良かったですが、
廃棄食材のもったいないとはズレてやしないかと思いました。

地熱を使えるところは使えばいいですけど、「自然資源を使わないのはもったいない」って都民に言ってどうしたいですかね?
もともと誰も否定してないと思うし。

野草料理も、そういう環境にある方はしたらいいですよね。素敵ですよね。
そういう場所を国や自治体がどんどん開発して野草が無くなってる、とか、厚労省が野草は食べるなと言ってる、とかだったら、それへの「もったいない」で話を進めればいいけれど。



そんな感じで、
今後私達も考えてみなければならない問題と、
こんな取り組みがありますという紹介と、
ごっちゃになってた作品だと思いました。
べに

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