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殴られる彼奴(あいつ)のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

殴られる彼奴(あいつ)(1924年製作の映画)
4.4
傑作。道化師のように男爵に騙されて、科学者の愛する『研究』を奪われ『妻』をNTRれすべてを喪失した男が本当にサーカス団のピエロ、しかも『殴られる彼奴』との題材で活躍していく。

嘲笑されるし男爵を殺してやろうとも思った青年が、一転し周りから嘲笑される芸を繰り広げられるが、映像やロン・チェイニーの演技から彼の心情が感じられ胸が締め付けられる。

その一方でピエロの男の人生を描いているとも言える。彼の辿った人生は不運に塗られていて、とてもじゃないが"最後に笑ったものが勝ち!"とは言っても凌駕できるほどではないと思う。

だけど終局の間際、彼が最後に歩んだのは間違えなく心があった。
彼の衣装で外れかけてるハートの衣装から持ち物のハートの人形。心の揺らぎを物に例えられてる表現が強く印象に残る。
結局彼はピエロの姿のままとして歩んだけれども、掌に握られたハートの人形に泣いてしまう。