野

リズと青い鳥の野のレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
1.7
原作未読。
アニメシリーズ、ほか劇場版視聴済み。


正直見なきゃよかったかな…という気持ちになった。
ミゾレ姫のための映画。



●以外ネタバレ●
キャラクターの話をするが、この映画を見るまではミゾレの事を少し好きだったが、完全に嫌いになった。彼女の引っ込み思案さの原因は不明だが、あまりにも積極性なさすぎるし、それで不幸ヅラ(この子は可哀想ないい子なんだよ、という鼻に付く演出)されてもキツイ。
家庭がめちゃくちゃとか、イジメられてたのか、生まれつきなのか、いろいろ積極性の無さについては想像の余地があるが、好きになれないし、なる理由がビジュアル以外に見つけられなくて辛い。

ゆう子がTVシリーズ同様によくない…。好きな子を徹底的に贔屓するような人に部長とかやってほしくなさ過ぎる…。新しい地獄だなと思った。

ノゾミが苦手だったが、この映画で同情した。勝手に辞めたとかいつまで責められんねん。誰もノゾミの気持ちを分かろうとしないのに。ミゾレさえそう。いつまで被害者ぶってんだよ。
勝手にノゾミのことを好きになって、ノゾミに求めてばかりで、君は何か与えたのか? あまりにもこの人の思考回路が怖い。一歩間違えば犯罪者だと思ってしまうのは、私の考えすぎなのだろうか…。

つまり、ノゾミちゃんがあまりにも割を食いすぎだろ。これがリアリティだというなら、二人の仲直りはまったくリアリティがない。終始ミゾレ姫が幸せになる話で吐き気がした。
結局吹奏楽部において貢献度の高い人物は優遇されて庇護される…そういう風に受け取れてしまい、あまりにも現実的で辛い。せめてノゾミがキレてくれればいいのに、怒りもしないから、いい子過ぎて心配になってしまった。
人と関わることは諦めて技を磨いたら、みんなからチヤホヤ姫扱いさらて居場所も手に入るよ、というお話になっていると思う。それは間違っていないと思うが、ノゾミのような生き方にももう少し光があってほしかった。

最後に、部長はノゾミの方が適正があると思う。しばらく部を離れていたから、という理由で選ばれないなら、実力で演奏メンバーを決めるという理屈も茶番だなとしか感じない。
結局誰も本気で全国制覇なんて目指しちゃいないということなのだろうなと感じる。

ミゾレ姫のための映画。


アニメーションについて。
ジブリリスペクトが随所に感じられた。キャラクターの動作で心情を表現することは、宮崎駿が心血注いでやってきたことだと思うし、実写風の演出もなかなかハマっていたと思うが、アニメで実写が観たいと思っていないので、私にはハマらなかった。
宮崎駿リスペクトも、魔女宅リスペクトも、そのまま過ぎて、なんだかモヤモヤした。そこに新しいアイデアはなく、なんだかなーと思う。彼を模倣している要素を感じれば感じるほど、この作品の欠点が目についてしまってよくない。あまりにもリスペクト対象が偉大すぎると思うし、狂気の作家なので、そこに遠く及んでいないのが悲しい。そこと比較しないで観たかったし、安直に魔女宅をオマージュすることが教養のなさにも感じられてしまい、厳しい目線で観てしまうのが、我ながら嫌だった。。。

巣立ちや、親元からの旅立ち、をテーマとしているということだと思うが、この二人は対等な友人で、親代わりにされて巨大感情をぶつけられるノゾミが可哀想すぎると思う。
野