野

劇場版 アーヤと魔女の野のレビュー・感想・評価

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)
3.9
終わり方が終わり方なのでこの点数ですが、面白い作品です。原作は読んでません。

まずアーヤのビジュアルが全く可愛くないところが最高で、かなりあざとくて、小狡く、生き生きした生命力に漲っています。お行儀の良さなんかで飯が喰えんのかぁ〜?といわんばかりのロックなキャラで、可愛げはまるでありませんが、力強いです。

登場するキャラもみんないい人ばかり。原作未完が本当に悔やまれる。あまりにも良かったので原作を近々読もうと思いました。

個人的に気になるのはアーヤの母。彼女が一体どんな女性なのか、その想像をするだけでとてもたのしい。またこのロックバンドのメンバーたちの絆も大好物です。この作品を知ることが出来たことに感謝。

ジブリ作品のため、売上について触れられている方が多いですが、作品の評価は売上だけでは測れないと思います。
確かにこの原作の持つ力を全て掬い上げられていない部分も多く(キャラの関係性や理解度、表現力など)、未熟さ(カーチェイスシーンなどの素っ気なさ)もありますが、全体として丁寧に作られた作品でもあります。
そしてアーヤを主人公にした作品を映像化しようというセンス。本当に素晴らしい作品。
作られた事に意味があったと思います。
野