鳩サブロー

鍵の鳩サブローのレビュー・感想・評価

(1959年製作の映画)
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エロい。精神的に。
谷崎潤一郎の原作だからというのもありますが。
登場人物をあまり人間っぽくみせない演出が、欲に支配されて動いているようにも見える。モノクロってわけじゃないのに、無機質に見えるから、心がよく見え過ぎて、色よりも心の中の印象が強い。時々入る、風に揺れる竹林とか、汽車の連結の鉄の感じ、骨董の刀などのその質感がとっても響いてる。
登場人物、みんないやな奴なんだけど、どことなくおかしみにあふれてる。

市川崑、好きや、と思った作品。