鳩サブローさんの映画レビュー・感想・評価

鳩サブロー

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愛しきソナ(2009年製作の映画)

5.0

監督がソナをはじめ、甥たち姪たち、兄弟、父母、とにかく家族を凄く愛して、愛されていることがわかる。思想が違うこともわかる。だけどもこの愛は、思想の違いを超えている。
家族だからなのか、この家族だけなの
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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(2015年製作の映画)

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エロいよりも切なさが際立って、悲しくなった。互いにあんなに愛おしく思っていても、愛おしく思っているが故、性癖の不一致が許せないってことが、もうもう。なんとかならんのかい、と何度も思ったけれど、なんとも>>続きを読む

赦し(2022年製作の映画)

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なんの前情報もなく、ただただ、酒のつまみに何か映画をと、色々探した中で、松浦りょうの動物みたいな目に惹かれて観ました。

初っ端からテンポよく、なによりずっと登場人物の行動というか、動向が気になるのと
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バビロン(2021年製作の映画)

5.0

デイミアン・チャゼルの映画愛に泣いた。
映画に関わる全ての人への愛、掬いあげて、昇華というと言い過ぎかもしれませんが、あまり取り上げられず消えて行った人たちの心の空洞を見せてくれた映画。
まるで、チェ
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走れ!走れ走れメロス(2022年製作の映画)

5.0

高校生たちのとってもとっても青い春の瞬きがギュッとつめ込まれている。
なんでそんなに素直でいとおしいんだーと、何度も目からお漏らし。
運命は偶然じゃなく必然でできてると思わせるような現実の展開を無色透
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これは、映画好きの人からおもしろいよっておすすめされた映画。wowowで配信してるのを見つけて、即観ました。

聞いていた以上にめちゃくちゃいい映画。
風景美しいし、トリュフの豚さんもかわいい。豚と言
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TANG タング(2022年製作の映画)

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wowowつけたらやっていたので観ただけ…
TANGがかわいいから観続けてしまったのだけど、そのTANGに息吹を与えたのは、二宮くんが主ですが、TANGを相手に芝居する役者の方々の確かな演技力に他なら
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

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何の前情報もなく、wowowつけたらやってて、アニメ…アキラ的なヤバい緊張感がずっと漂ってるんですけど…と思いながら惹きつけられて最後まで観てしまった。
凄いのは、山好きでなくてもおもしろく観ることが
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キャメラを止めるな!(2022年製作の映画)

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日本版は映画館で観ていましたが、細かいところは覚えていなくて、いろいろ新鮮に楽しめたのと、日本のオリジナル版をリスペクトしているところがかわいらしいのと、音響さんのいい味、どんぐりさんの荒らし具合、そ>>続きを読む

父はフロリダを夢見て(2015年製作の映画)

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少し前、老人介護や認知症ケアの現場に演劇の手法を取り入れて、介護士向けに行なっているWSに参加したことがある。
認知症の方々の突飛な発言や行動にはストーリーがあると。この映画はそのストーリーが描かれて
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アビゲイル・ハーム(2012年製作の映画)

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冒頭の視覚に障害を持った人に、「鏡の国のアリス」の名無しの森のシーン読んでいるところから始まる…
ここでほぼ全て語られている…

自分を自分と認識するものは他人で、だけど視覚の情報が無かったら、容姿は
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きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

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シーンシーンの絵がステキで、見惚れながら観ました。風景が美しい映画はそれだけででもいいと思わせる。

こういうのコメディって言わないんじゃないか…ほんと日本のアキ•カリウスマキ…爆発的な笑いはないけれ
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

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長澤まさみ、阿部サダヲ効果もあるのかもしれないのだけど、この母親だけが悪いとは思えない…と思えてくる。
もしかしたら長澤まさみも演じる中で、悪びれないというか、悪いと思ってやっていなくて、自分が信じる
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トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

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冒頭のピナ•バウシュの「カフェ•チェアー」がこの映画の全てを表しているような気がする…
眠り続ける女性を思い続け、お世話し続け、なにも、なんにも、その女性には届いていない…
唯一届いたのかもしれないも
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マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

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あなたの使う言葉があなたをつくる。
と聞いたことがある。
名前はやっぱりその人を表しますし…
それらが奪われるということは、魂を奪われるということになるのかもしれない。
消されそうになる魂は命懸けで集
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

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「たかが世界の終わり」に匹敵するいいタイトル、それに見合った内容。
画面から息が、焼き飯が、海が、砂じゃりが匂ってきそう。

白痴(1951年製作の映画)

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白痴と言われる男と彼に救われる大金持ちのじいさんに囲われてる美女、その彼女に惚れてる男…


小津安二郎の『麦秋』を観た後に観たということも抜きにしても、原節子に射抜かれる作品。今までみた原節子の中で
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

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光と影を巧みに使った絵が上手い…それがこの暗い話の中にギラッと光る抑圧された人間の衝動を見せるのにうまく合ってたり、時代背景と合ってたりして、シーンシーン、ポストカードに切り取りたいくらいいい。
張震
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37セカンズ(2019年製作の映画)

5.0

寝ようとして、寝転んでiPadでwowowオンデマンドを開いたら、やっていた映画。
寝ないと…という思いはいつの間にか消えて、気がついたら正座して観ていた作品。

彼女の身近にいる人たち、母親や、アシ
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

5.0

とある、猫がいるバーでずっと流されてて、気になって観てからかれこれ5,6回は観ています。そして今日またwowowでやっていたので観てしまった。

お金の話しがどんどんテンポ良く進んでいくのはある種の爽
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アスファルト(2015年製作の映画)

5.0

不条理群像劇というよりは、不器用群像劇。
曇天なフランスのピカソという街に暮らす人々それぞれの不器用さの隙間にあったかい人の温もりが染み込む…アスファルトの隙間から芽吹く花のように…だから「アスファル
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

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ルーク少年が小さい頃のグザヴィエ・ドラン監督に見えてしょうがなかった。
とっても感受性が強くて、頭がめちゃくちゃ良さそうな子。結構早いテンポでちゃんとしゃべれる。元女優のお母さん、そのルークを愛してる
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

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日本以外だとそんなに翻訳家が軽視されるんだろうか…?と疑問に思ってしまった。
翻訳家って第二の作者というか、代弁者というか、イタコというか、言葉の魔術師というか…解釈も翻訳家それぞれ違うし、文学的な知
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マルグリット(2017年製作の映画)

5.0

短編ながら、その膨大なバッグボーンを想像させる作品。
人間とは…と何度も思わせる。
耐えがたい喪失を抱える悲しみ…からの〜と続いていく、生きている限り。
あのキスは時空を越えた、マルグリットの欲しかっ
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

5.0

散歩がてらに他人の家に堂々と侵入、酒を飲み、レコードをかけ、頭のてっぺんからつま先まで神経行き届いた美しいダンスを踊る…この世界は彼のものだと思ったこの冒頭でこの映画、好きだと確信させられた。

カル
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

5.0

こんなご時世だったので、恐らく10ヶ月ぶりぐらいに映画館で観ました。それが、グザヴィエ・ドランの映画で本当に良かった。

フライヤーをヒグチユウコが描いていると知って絶対映画館で観たいと思っていた作品
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最初の晩餐(2019年製作の映画)

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とても言葉少なで、俳優の目とか、風景とか、状況とか、そんなもので語られている。
それが、「家族」っていう族がどいうものか描くのに適してる…どういうものか説明できない、この状態も家族だと言わんばかりに。
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ともしび(2017年製作の映画)

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シャーロット•ランプリング、平仮名4文字タイトル三部作

この平仮名4文字三部作は、どんだけシャーロット•ランプリングを不条理に苦しめるのかシリーズなのか…?
またシャーロットの苦しみ方が、不謹慎なが
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

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函館を舞台にした映画ってどこかカラダの内の柔らかいところをキューッとさせる。森田芳光監督の「キッチン」とか。
暮泥む街並みを走る電車とか、夜明けの街並みの電車とか、ポツポツの街の灯りが蛍のように光って
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パターソン(2016年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

毎朝、愛しい人が腕の中にいる目覚め、弁当箱を手に詩を紡ぎながら歩く、レンガの壁、同僚の朝の近況ジャブ、バスの窓から見る眩しい街並み、バスの乗客の些細なかわいい会話、デザインの素敵なマッチ箱、へちゃむく>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

冒頭のブルブルと震える彼の純粋な瞳一発で、戦争はいけない!と思わせる。こんな小さな子にあんな瞳をさせてはいけない!と思わせるこの映画はすごい。
子ども目線で、ヒトラーの幻も出て来たりして、ファンタジッ
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ジョーカー(2019年製作の映画)

5.0

ちょっと笑ってみたら止まらなかった。
ちょっと泣いてみたら止まらなかった。
ちょっと憎んでみたら、ちょっと殺してみたら、全然大丈夫だった。
どこでどんなきっかけがあって、自分は戻れないところへ行ってし
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

すごく強い、映画と映画に携わる人への愛感じる映画。
シャロン・テート事件のことは恐ろしい事件として心に残っていたので、それを復讐というか、映画の中で昇華させようとしてるタランティーノの怒りとシャロン・
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

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「斬、」を観たとき、映画館の予告編で流れて気になっていた映画。

アクション映画並みにカンニングシーンや準備するシーン楽しめます。あとミスリードも実はラストに向けてのミスリードじゃなく、うまーくスパイ
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ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲(2019年製作の映画)

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全体的な雰囲気好きです。

原発の問題をなんつうかエミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」とか「ライフ・イズ・ミラクル」のような(雑な例えかもしれませんが…)そんな雰囲気で、楽しく、賑やかでエ
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

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とても繊細で美しくて、儚いようにも思えるけれど、とてつもなく強い自己肯定感がこの映画を優しく包み込んでいる。α波感じる映画。
誰かを想うこと、互いを想うことはすばらしいって当たり前のことなのに、恋敵が
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