マッサージ屋2号店

アクト・オブ・キリング オリジナル全長版のマッサージ屋2号店のレビュー・感想・評価

3.0
ジョシュア・オッペンハイマー監督作品。
1965年から66年にかけてインドネシアで起きた共産主義者の大量虐殺を実行した人物を追ったドキュメンタリーもの。

まず1965年以前のインドネシアの歴史をある程度知っておかないと理解しづらい。
中国とインドネシアが結びつくのを警戒したアメリカが焚き付けてクーデターを起こした…ってのがザックリとした流れ。
日本でもお馴染みのデヴィ夫人の旦那のスカルノ大統領がインドネシアから追い出された時代。

クーデターの名のもとに共産主義者を100万以上虐殺した首謀者のひとりを追い、彼自身を主役に映画を撮りましょう!というオッペンハイマー監督からの要請で撮っていくという珍しいスタイルのドキュメンタリーなんですよね。

殺人の方法やら当時の気持ちを誇らしげに語るアンワル爺さん。
この傍らに現在の運動家で太った中年ヘルマンが居るんですが、この2人の微妙な距離感は面白い。
ヘルマンの撮影用のメイクや衣装がシュール過ぎて(笑)

しかし正直なところドキュメンタリーとしては面白くはない。
長尺版を見たので余計そう思うのかもしれないが、無駄なシーンが多く何が言いたいのか謎なところがあるんですよね。
途中でダレてしまった。

日本とは遠いところで起きた恐怖の歴史を知るには良い作品なんでしょうけど、映画としては微妙でした。