ポンコツ娘萌え萌え同盟

俺はサルタナ/銃と棺桶の交換のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

3.8
再鑑賞。
ジャンニ・ガルコ……じゃない!
始まりがピクニック気分のように馬車襲撃を眺めていた今回のサルタナは…ジョージ・ヒルトンだ!
しかも共演がチャールズ・サウスウッドなので実質荒野の無頼漢(監督も同じ)。でも大好き。偽サバタも出るし。

マカロニウエスタンの奇才(だと個人的に思ってる)アンソニー・アスコットことジュリアーノ・カルニメオの作品はやっぱり楽しい。
観たのが本作以外だと『サルタナがやって来る』と『荒野の無頼漢』で、本作もそれらと同様に金を巡ってコメディ×騙し合い。
一方で彼の作品といえばエキセントリックで奇抜な武器(『サルタナがやって来る』のオルGUNとか)が出る印象に対して、本作はエキセントリックな武器は4穴コルトを除けばない。
ただ本作のセリフに「自分の目を過信することなかれ」とあるように認識による確信を逆手に取ったトリックが面白い。
めちゃめちゃツッコミどころ満載だけど、それも彼の作品の魅力だ。

サルタナが黒衣装なのに対して対局のように白衣装のサバタ。
しかもサバタといえば『西部悪人伝』を始めとしたサバタ三部作の印象が強くあっちが黒衣装の男に対して白衣装なのが笑ってしまう。
しかもなんか日傘さしてるし。
ちなみに本家のサバタとは特に関係性はない。
それ以外の登場人物も盗賊やら街を巣食う金持ちやらなんか思惑してる宿屋の女でもう何も先の展開も読めない。

だけど結局一番食えない男がやはりサルタナなんですよね。本当に何考えているかわからない。不思議なマカロニヒーロー。それがサルタナの魅力だ