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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男のとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.5
"ファッション"は虚しい言葉、とにかく嫌い

もっとタイムなレスな言葉で。メンズでは新しいものなど皆無で古いものの焼き直し。…など、彼なりの美学で、真に迫る言葉が並ぶ。人は嫌いなもの・見たくないものからよく着想を得る。確かに!そして、90年代のミニマムな空気(同監督『マルジェラが語る"マルタン・マルジェラ"』でも言われていた)時代の流れに逆らって有名になったコレクション=ボリウッド。色の組み合わせに、生地へのこだわり。他ブランドが身売りする時代の流れに乗ることなく自分を貫き、我が道を行く姿勢。周囲にファミリーを築く、一言で通じる関係が好きなんだ。
ドリス・ヴァン・ノッテン引退を間近に何を思うか…?やっぱり表現・創作活動たるもの自らを限界に追い込んでこそなんぼみたいなところはあるだろうか、だからこそ見ている方は心突き動かされ、そこに何を感じ取る。本気でやりきって頑張らないと得られない感動、美を生み出す興奮、言葉にできないやり甲斐。ドリス・ヴァン・ノッテンの伝記映画を製作するなら、誰が演じるだろうか?…なんてことを考えていた。彼のようなデザイナーはいない、彼だけ。他は絶滅し、供給もない。

あと、音楽がレディオヘッドのコリン・グリーンウッド。
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