おりょうSNK

ピンカートンに会いに行くのおりょうSNKのレビュー・感想・評価

ピンカートンに会いに行く(2017年製作の映画)
4.5
人生するかしないかの分かれ道で、するという方を選んだ勇気ある人々の物語。

「ピンカートンに会いにいく」
2017年 日本 85分
U-NEXT鑑賞

冒頭の短文は、その昔、月曜ロードショーで荻昌弘さんが「ロッキー」について熱く語られた解説の言葉。本作もそれだった。
元アイドルグループ「ピンカートン」のアラフォーたちが、復活するかしないかの分かれ道でする方を選ぶ。特に主人公、内田慈演じる優子の人生崖っぷち感がリアル。
事務所を通さず役者の仕事請け負って解雇され、兼業のコールセンターはやる気なし。
そこへ突然降って湧いたピンカートン復活LIVEの話。するわけないわよと言ってたのに生活のためにする方を選ぶ。アイドル当時、関係がよくなかった葵とうまくやれるかが不安で、大木を葵に見たてて抱擁する妄想演技とか最高に楽しかった。内田慈なる女優、なかなか面白いぞ。

ところで、本作を観るきっかけとなったのは松本若菜だ。「仮面ライダー電王」「マリッジカウンセラー」の松本若菜が好きだ好きだと言ってたら、ならばこれはどうですか?と教えていただいたので、好きだ好きだと言ってたら向こうからやってくる法則が成立。
松本若菜の登場時間は長くない。が、それでいて清涼剤のような印象を残す、もうひとりの主人公だ。さすが松本若菜。ピンカートンいち人気があり、ソロで売っていく話が進行していた葵のその後という役柄がハマってる。

映画は、さあこれからどうなるのか?を描かない。その潔さ、よし。好物だ。
「東京ウィンドオーケストラ」の坂下雄一郎監督。ケラケラと笑えてじわじわーとくる、いい作品でした。「エキストランド」も面白そう。
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