なちゅん

ホース・ソルジャーのなちゅんのレビュー・感想・評価

ホース・ソルジャー(2018年製作の映画)
3.5
基本的に戦争映画は新しくてもWWⅡのくらいまでしか見ない。しかも自分にとって近く感じられすぎるとかなりダメージが後を引くので、WWⅡのもヨーロッパが舞台のやつを観ている。ここで言うことでもないけど、それは決して歴史から目を背けて隠蔽しようというのではなく、精神的な自衛である。
そんな私がこの作品を見ようと思ったのは、言うまでもなくクリス・ヘムズワースとマイケル・ペーニャを観たかったから。見始めたところで、ヘムズワース演じるミッチ・ネルソン大尉の奥方を、これまたヘムズワースの実際の奥方エルサ・パタキーが演じていることに気づいて、出だしの大尉の決断のところからもう完全に胸がいっぱいになってしまう。

12人の少数部隊が5万に及ぶタリバン部隊に挑んで拠点の奪還を果たした(しかも自分たちには戦車なんてなく、移動手段は馬)というのは、現地でドスタム将軍と手を組めたことも含めて、驚異的な成功だった。にもかかわらず機密作戦だったからずっと明らかにされなかったというのは、ある意味では尊厳があって崇高だったとも言えるけれど(謙虚さを美徳とする日本人的な観点で言えば。)、やはり正当な賞賛と評価を与えられていないようにも見えて、心が少しもやっとする。
あの意地でも生きて帰らなければいけないという強い想いは、意外となかなか持ち続けられるものでもないんじゃないかな。

とはいえ、とはいえよ。やっぱりイラク戦争の意義については疑問が残る部分があるし、アメリカが正しいとも思わないし、この映画はなかなかプロパガンダ的でもあるし、この12人を称えこそすれど、アメリカを賞賛しようとは思わない。私は何も知らない平和ボケした日本人なので、政治的な話が絡むとこの映画については言及が難しくなる。

なので、これだけ。
ナジーブが生きててくれてよかった。
なちゅん

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