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カメラを止めるな!のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
5.0
【決して、よこくを見ないでください】
イタリアのウディーネ国際映画祭で2位(1位の『1987、ある闘いの真実』、3位の『The Battleship Island』が社会派映画なのを考えると凄い!)、町山智浩が絶賛し、LiLiCoも王様のブランチで取り上げ、満席続出インディーズ日本映画のHOPE『カメラを止めるな!』を観てきました。

実は昨年末からチラホラ「凄いゾンビ映画がある」と耳にしていた。しかし、ポスターの雰囲気と、既に観た人の感想から、「これは、傑作かもしれないが、『ファントム・スレッド』や『君の名前で僕を呼んで』等の最強布陣に勝てるまい!」と思っていた。

しかーーーし、奇跡が起きた!鑑賞後、本作は上半期ベスト2位の座にいる。つまり、流石に『バーフバリ 王の凱旋』にこそ勝てなかったが、PTAやエリオを粉砕、玉砕、大喝采したのだ!

本作はコンセプト通り、ワンカット《37分》のゾンビ映画だ。町山智浩の言う通り、最初は「えっこんな映画なん??全然ダメじゃん!」と思う。役者は大根だし、カメラワークは《ワザと》ではなく、明らかに技量不足のブレ具合。おまけにミスショットも多い。笑わせどころもズレている。

いきなり前半10分でセネガルに5本ゴールを入れられてしまうのだ。しかし、段々と「んっ?これはヘタウマって奴か?」と思い始める。段々とリズムが生まれ、立派なゾンビ映画になる。そして、大根だと思った役者が上手くなるのだ!

そして、観終わった後、失われた三谷幸喜を求め、三谷幸喜を超えたONE CUT OF THE DEADに平伏した。

えっ三谷幸喜要素ないって?つまらなそう?凡庸な映画だって?いや、百聞は一見に如かず。観たら分かります。

いや、言直す。他の映画10本観るくらいなら本作を観てくれ!混雑している?ネット予約できない劇場でしかやってない?そこは有給でも仮病(職務の影響のないように)でも使って観て欲しい。

何故、舐めまわすような映像、清く淡い映像、文学的詩的いかにもカイエ・デュ・シネマが好きそうな作品を愛するブンブンが低予算ゾンビ映画に満点を付けたかが分かるはず。

人気小説、マンガ、アニメの映画化が横行し、なんでもアイドルを使えば良いと思っている日本映画界に差す希望の光だ。

これはDVDではなく、《劇場》で驚き、笑い、泣いて下さい。

あと、決して、よこくを見ないでください!

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【2018年上半期ベストテン】
(新作)
1.バーフバリ 王の凱旋(国際版/完全版)
2.カメラを止めるな!
3.ファントム・スレッド
4.君の名前で僕を呼んで
5.犬ヶ島
6.ちはやふる 結び
7.犬猿
8.ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期
9.リズと青い鳥
10.15時17分、パリ行き

(旧作)
1.ホース・マネー
2.オルエットの方へ
3.天使の復讐
4.泳ぐひと
5.ソビブル、1943年10月14日午後4時
6.グッド・タイム
7.トラスト・ミー
8.エム・バタフライ
9.シルバー・グローブ/銀の惑星
10.山の焚火

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2018/06/25更新
ブログにて、ネタバレなし8千字解説を書きました。ご自由にどうぞ。

【ネタバレなし】『カメラを止めるな!』有給を使ってでも、地を這ってでも観て欲しい7つの理由↓
https://france-chebunbun.com/2018/06/25/post-15855/

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2018/08/05更新

【 #カメ止め 】『カメラを止めるな!』2度目の鑑賞、それは完全にスタッフ目線!↓
https://france-chebunbun.com/2018/08/05/post-16323/

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2018/08/22更新

【炎上】抗争勃発『カメラを止めるな!』盗作疑惑問題について考えてみた↓
https://france-chebunbun.com/2018/08/22/post-16482/
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