さとし

カメラを止めるな!のさとしのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.3
こういう映画もなかなか作れませんね。なんかミッション インポッシブル/フォールアウトといい本作といい、ワンカットが密かなブームになってますね。私は好きですが、これは雑だと感じる人もいるでしょうね。監督が決まった後トントン拍子で脚本ができてその後、俳優さんが決まるのでペースが早いですね。あっ!という間の96分でした。

主人公のカップルチナツとコウはゾンビ映画を撮影中に本物のゾンビに襲われ城内に立たされます。果たして彼らは無事に脱出することができるのでしょうか?というのが最初の36分。その後はある冴えない映画監督が一大プロジェクトに巻き込まれるというストーリーです。私があらすじについて言えるのはここまでです。

この映画のポスターの宣伝文句に席を立つな!というのがあります。まあ近頃途中退席する人が結構いるのでしょうね。映画祭で映画を見ると特に途中退席する人多いみたいですね。2001年宇宙の旅なんか、プレミアの時100人単位で途中退席した人が出たとか言う話です。しかし、この作品は初めの36分は覚えておいて、その後の展開に意味がありますね。

三谷監督のラジオの時間は上手くストーリーと映画の中のラジオドラマのバランスが良かった気がします。しかし、本作は見方次第ではとりあえずワンカットでどこまでできるのかを試して後、アイデイアと工夫で乗り切るみたいな展開ですね。全てが分かった時点で「実はこうだったのか!」という感じです。あとは映画というのは大変な思いをして作られているんだから席を立たなと言いたいのでしょう。

しかし、この作品には致命的な欠陥があります。それはエコーです。室内のシーンでチナツが監督に怒られてるシーンは声にエコーがかかっていて、もう少しどうにか消せなかったのかと思いました。その後も例の場所での室内のシーンではエコーが掛かり続けていて、なんか説明があるのかと思いました。結局映画を最後まで見てもその疑念は払拭されず、私の中で「消せるのにもったいないな」と思いました。特にチナツ役の女優さんが大声を張れば張るほどエコーがひどくなった気がしました。マイクが拾ってしまうのは仕方がないのですが、audacityとかFinal Cutを使えば、どうにでもなったはずです。予算が300万しかないのにこれだけのものを作りましたというのなら、カメラを止めるな!という前にエコーを消せ!と誰かが監督に言って欲しかったです。
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