ようやく初見。第四の壁を破った向こう側の第五の壁みたいな描き方をした映画。手法としては使い古されたもののように感じるけど、意外とここまで視点を重ね合わせたのは無かったかな。不自然さを全開にすることで「きっとこういうことなんだろう」って自然に感じさせる編集の巧さが秀逸。観客の想像や妄想で補完させておいて、そしてそれを騙す作りだから「観客が勝手に騙されてくれる」構成が出来上がってる。褒め言葉として「ズルい」作品。こういう映画の性質上、どうしてもネタばらしの先のもうひとひねりを期待しちゃうけど、さすがにそこまではなかったのは仕方ないかな。評判が先歩きしてるけど、やっぱり一見の価値ありの作品です。