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ファントム・スレッドのsonozyのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.5
名優ダニエル・デイ=ルイスの引退作。
ポール・トーマス・アンダーソン監督が撮影監督も担当。
「Phantom Thread」= 幽霊の縫い糸

1950年代のオートクチュール・デザイナー、レイノルズ・ウッドコック(ダニエル・デイ=ルイス)。
多くのスタッフを抱え、素晴らしいドレスを作り上げるレイノルズは、ハウスを仕切るドン的存在の姉シリル(レスリー・マンヴィル)の元、24時間ドレス作りに没頭する、女性セレブに人気のデザイナー。
妻がいるがレイノルズの気持ちは冷めきっており、シリルももう潮時と思っている。

ある日、高級スポーツカーで別荘へ向かう途中、立ち寄ったホテルのカフェのウェイトレス・アルマに一目惚れするレイノルズ。いきなり夕食に誘い出し、そのまま共に別荘へ。
アルマの服を脱がせると、仮縫いの生地をあてたり、アルマのボディサイズを測り出す。
追って着いた姉シリルがそれを書き止め「レイノルズ好みの理想の体型ね」と。

アルマは、女性としてというより、ドレスモデルとして一目惚れされたのだった。

ウッドコック家で暮らし始めるアルマは、レイノルズを愛し、尊敬し、彼の創作のインスパイア元として、スタッフの一員として、モデルとして献身的に努める。

キスも体も求めてこずドレス作りに没頭するレイノルズが、亡き母(レイノルズに縫製を教えた)への異常な執着や幻影を見、精神的に姉の支配下にあるという、ウッドコック家に潜む不気味な状況を打破しようと考え始めるアルマ。
レイノルズを精神的呪縛から解放し、愛し合う喜びを取り戻させるため、危険な行動に出る。。。

衣装&空間デザイン、ジョニー・グリーンウッドの音楽の素晴らしさ。
ダニエル・デイ=ルイスの名演はもちろん、サスペンス的・ホラー的要素の要が、姉シリル役のレスリー・マンヴィル。
アルマ役の新人ビッキー・クリープスも、素朴なウェイトレスから後半はウッドコック家の呪縛とたたかう闘士的な変化を見せ良かったです。

しかし、ダニエル・デイ=ルイスの名演、これで見納めとは寂し過ぎますね。。
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