れおん

ドント・ウォーリーのれおんのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
4.2
酒に浸り、酒に溺れる。その代償として、彼は足を失う。『自由』を失ったが、彼は『自由』を取り戻す。独自の視点から描く風刺画は人々の心に憎悪を生みつけると同時に、笑顔にもしてくれる。

いつもと同じようにお酒に溺れる。そして、いつも通り意識は朦朧。いつもと違ったのは、交通事故に遭い、生涯半身不随になってしまったこと。
人間は強くない。人に助けを求め、人と支え合って生きていく。人間は弱い。救いの手を差し伸べる人に対して、素直に接することができず、その手を握らない。

温かかった。映像・音楽、ストーリーの流れ。ただただ一人の男の葛藤と成長を描くだけでなく、彼の周りの人の巻き込み方が台詞を介し、自然と融合していた。

人生が終わるのは、死ぬときと救いの手が失くなったとき。歩けなくても、依存症でも、価値観・倫理観が違っても。ましてや、人種・宗教が違っても。人が人を想う気持ちは美しく、人としてなくてはならないものである。
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