雨を聴く。
…俳句もお茶も共感覚の芸術なのだ。
まず邪魔な音楽がないこと。無音のシーンに集中したくて、プロジェクターのファンの音が邪魔に感じてしまった。
こんな嫌味のない、しなやかなお茶の先生いるんだろうか。
黒木華と樹木希林は当たり前に素晴らしく、そして鶴見慎吾もとても良かった。大切な感情をセリフのそとで伝えきる演者と監督の力量。原作もいいのだろうな。
型が自分の中に溶け込むにつれ見えていなかったもの、聞こえていなかったものが見つかる感覚。学ぶなかで変わりゆく自分。そういう感覚、しばらく感じてないな。
人生はいつも突然。桜が悲しい思い出に。
フェリーニの「道」どう感じるか。
同じ事が出来ることが幸せ。それに気づけたらあるやっと程度、人生を知れたという事なのかも。
しっとりした良作でした。
大森立嗣監督は多彩な作風の監督だけど、本作観てもっとこういうテイストの作品観たくなった。