Chie

日日是好日のChieのネタバレレビュー・内容・結末

日日是好日(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

茶道を通して、人生の教えを説いていくようなストーリー。
私自身去年から茶道を習い始めて、ようやく1年半ぐらい経とうとしているが、共感できる場面がいくつもあった。
習い始め主人公が先生から注意されてたことを注意されてたのを思い出して微笑ましかった。面倒だなぁってサボりたくなる日もあるけど、行ってみると行って良かったって思える瞬間があったり、日々の生活とは違う異空間みたいな感覚になれるので、リフレッシュもできたりする。今では茶道は私の中でなくてはならないものになった。
季節ごとに変わるお点前、お菓子、飾り花、掛け軸、道具。茶道を始めて、より季節を感じれるようになったと思う。作中でも茶室の風景だけを映し出すシーンがあって、茶道の雰囲気を味わえるような映像になっている。
茶室での独特の静けさの中、様々な音が耳に響く。風の音、雨の音、お釜の音、炭が弾ける音、普段はあまり感じることのない音の美しさに気づける瞬間だ。お茶はたくさんのことを教えてくれる。

終盤で『同じことができるってことが幸せなんだなぁって思う』という先生の言葉が心に深く残った。
映画では使われていなかったが、原作で『お茶は、季節をめぐりながら、干支のサイクルを永遠にめぐり続ける。それに比べて、人の人生は、せいぜい六周か七周。それがいかに限りある時間かということを垣間見る。そして、限りがあるからこそ、慈しみ味わおうと思うのだ』という文面がある。
『日日是好日』直訳すると毎日が良い日らしいが、良い日とだけで捉えることのできない奥深い言葉だと思った。先程の原作の文面も参考にし、考えて考えて考えついたのは【その日その日を大切にし慈しむことでどんな日でも愛おしい日に思えてくる】これが私なりの解釈だ。そういう風に考え毎日を生きていきたい。

最後に、樹木希林さん演じる先生が凛として、尚且つ優しい先生、人生の師範ともいえるような雰囲気を醸し出してて、さすがと言わざるおえなかった。所作もとても美しかった。主人公を演じた黒木華さんの演技も素晴らしく、特に父親が倒れて病院で自分を責めるように頭を打ち付けるシーンにはグッときた。役者が作品の良さを際立たせていると感じた。
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