自分のやりたい道がわからず模索する典子(黒木華)が、軽い気持ちで始めた茶道に惹かれていく中で、葛藤や焦燥感、挫折を感じながらも自分の道を見つけていこうとする。
季節によって異なるお作法、お茶菓子、二十四節気、移りゆく季節が淡々と描かれ、とても心地よい。
毎年毎年同じことの繰り返しなんだけれど、こうして同じことができることが幸せ
なんだ。
樹木希林さんが演じる武田先生の含蓄のある言葉があちこちに散りばめられて心を打つ。その時々の歳時や状況に合わせて吟味された掛軸も素晴らしい。
「日日是好日」
雨の日は雨を聴く。
五感を使って、全身でその瞬間を味わう。
雪の日は雪をみて、夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを。
毎日が好い日。
派手さはないけれど、とても良い映画だった。
樹木希林さんと黒木華さんが好演。