松井の天井直撃ホームラン

レイニーデイ・イン・ニューヨークの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

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☆☆☆☆


世界中の誰1人として、ガンジーの誘いは断れない(笑)

観客3名 簡単に。

いや〜!何から何までウデイ・アレンだったなあ〜。

おそらく、ラストの展開に納得行かない人が多く居ると思います。その走りとして、映画が始まっていきなり2人の会話による長回しのシーンから始まるのですが。アレンの長回し自体、これまであまり使ったことはないとおもいますが。この時の会話が微妙〜に噛み合ってない様に見えるのが。その後の2人の運命を決めていたのかも知れない。

そんな2人の不穏な関係性を暗示させるが如く。ここまで徹底的に作品の中で雨を降らせたのは、アレン史上最大だったかも。
でもですね、何となく古くからアレン映画を観て来た人だったなら、ある程度は納得した筈です。
『スターダスト・メモリー』でのシャーロット・ランプリングや。『マンハッタン』のマリエル・ヘミングウェイ。
アレン映画黄金期に於ける雨の中でのキスは、アレン映画でのミューズの証し。
それだけに、太陽の州から来た彼女よりも。雨で出会い・再会する女性こそがミューズなのだ!

主人公のティモシー・シャラメのモデルは、勿論アレン本人(笑)
おい!アレン。あんたそんなにイケメンじゃねえだろ!( ´Д`)
アレンの喋り口調を知っていると、歩きながらシャラメの声で聞こえて来る独白が、まさにアレン節で、ついつい微笑んでしまう。

リーヴ・シュレイバー演じる世界的映画監督は。『スターダスト・メモリー』で、自分は芸術家として映画を作りながら。古くからのフアンには「コメディーを作れ!」と言われ、思い悩む姿を。
ジュード・ロウには『ハンナとその姉妹』でのマイケル・ケインの姿を思い浮かべ。
ヒロイン役と言えるエル・ファニングには、『アニー・ホール』から『それでも恋するバルセロナ』辺りのアレン映画にまで脈々と続くミューズの系譜を感じました。
嬉しい事に、エル・ファニングのセクシーシーンがあり。実に眼福でしたぞ〜(//∇//)

他にも「愛と死はコインの裏表」との台詞があり、なんとなく『マッチポイント』でのラストシーンを想起させたり。フランス・イギリスを始め、欧州で撮影した作品の匂いを数多く観客に向けて振り撒く。

「あ?コレはあの作品かな?さっきのはあれかな?」…と。作品を思い浮かべながら観ると、更に面白く観れると思います。(知らなくても大丈夫です)

映画はラスト近くに至り。シャラメは、母親からの一言で一気に心を谷底へと突き落とされてしまう。
この時に平行して描く2つのパーティー。これこそアレンが長年描き続けて来た、スノッブな人種に対する批判の様であり。最近でも『カフェ・ソサェティ』で鮮やかに描いた、虚構と実像の(アレンによれば)おぞましい世界観と言えましょう。

まだまだ若え〜なあ〜アレン(´Д` )


♬ス ワンダフル

素敵! 素晴らしいわ!

貴方が、私のことを好きだなんて!

凄く嬉しくて、天にも昇る心地よ!

https://youtu.be/jpx3jytKpFw

2020年7月6日 MOV I X 柏の葉キャンパス/スクリーン10