幼少の頃に観ていた《西遊記》の面白さは、立っているキャラクターが反目しながらも、協力して事態を解決しながら天竺というゴールを目指すロードムービーであったからで、これは本場中国であっても天宮という豪華な舞台を使った舞台劇なので、その辺りをすっぱり切った思い切った作品だと思う。
恐らく確信的に仏教の色が極めて薄く舞台設定されているのだろうし、天宮人達に常人との差異はあまり認められない。
悟空や彼らのフィクション的アウトフィットを廃した事も何か製作陣の意図があるのだとは思う。
だがそれなら何故悟空に拘ったのだろう？
中国のティーンカップルをターゲットにチューニングが図られたのだろうか？
悟空が妖魔に戻ってからの怒涛の御涙頂戴メロドラマ展開は冒険活劇を期待していた私には恐ろしく肩透かしでした。
