ブラックユーモアホフマン

ゲティ家の身代金のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
4.6
アメリカ実録犯罪捜査モノ、と言ったらいいんだろうか。全然違う話だけど観てる時の味わいは『64 -ロクヨン-』とかにちょっと似てるななんて思った。

一番の見所はケヴィン・スペイシーの強制退場後、突貫の追撮にも関わらずアカデミー助演男優賞にノミネートされてしまったクリストファー・プラマーの演技だろうと思って観てみたら、ノミネートも頷ける見事なハマりっぷり。元々ケヴィン・スペイシーだったことが信じられない。ケヴィン・スペイシーがこの役だったら、もっと俗っぽい映画になってたんじゃないかと想像する。クリストファー・プラマーの存在の重厚感が、この映画の目指すテイストにマッチしてる。皺で落ち窪んだ目が良い。何とも言えない不気味さがあって怖い。
クリストファー・プラマーに限らず役者の演技は全員良かった。

『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドとも通ずる強い母親を演じるミシェル・ウィリアムズも見事なハマり役だった。

マーク・ウォールバーグってやっぱ良いな。と改めて思った。最近こういうシリアスな演技を観てなかったから、(トランスフォーマーとかばっかで。)忘れてた。特に黙って人の話を聞いてる時の表情が良い。笑

チンクアンタ!!おいしいキャラだった。あの俳優誰だ?と思ったら、『ムード・インディゴ』のアイツか!!前半からキャラが立っててカメラにも顔がガンガン映る。誘拐犯の顔はそんなに見せない方がスリリングなんじゃないか?と思ってたら、ちゃんと意味があった。個人的にはちょっと『3時10分、決断のとき』を思い出すような、人間の良心を感じる良いキャラだった。

音楽も素晴らしかった。壮麗な感じなんだけど、同時にちょっと滑稽さも醸し出す。
画も全編、バッキバキに決まってた。
すげぇなぁ!!リドリー・スコット!!