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ワイルド・ストームのdm10foreverのレビュー・感想・評価

ワイルド・ストーム(2018年製作の映画)
3.7
【散らかしたオモチャは片付けなさい!】

「たまにはいいよね、こういう能天気アクション」っていうやつ。
単純に「久しぶり頭使わない系が観たいな」というストレートな理由だけでスケジュール確認した結果、一択で即決(笑)。
いい意味で期待を裏切らない安定感。悶々とした後味も残らず、かといってもう一回食べたいというほどの味でもない「適度なファストフード感」は昨日のテンションにピッタリ。

基本的に「ディザスター×クライムサスペンス」となると、よほどしっかり作らない限りどっちつかずのブレブレ作品になっちゃうと思うんです。
ディザスター作品とするなら「自然対人間」という、作戦云々よりも運とか体力とか信念とかの割と「体育会系な展開」になるだろうし、逆にクライムサスペンスになれば頭脳戦だったり、裏切りや伏線回収など「ロジック的な要素」が求められたりもすると思う。

で、その相反する展開を一本にまとめてみましたってのが今作なんですが、意外にも適度な距離感で「ディザスター」と「クライム~」が付かず離れずを保ち続けたので、超好意的な言い方をすれば「最後までブレません」。忘れた頃にハリケ~ン!って感じで、クライムサスペンスパートの時は、自然現象であるはずのハリケーンですら大人しく待機していてくれます。だから台詞もキチンと聞えます。きっと気象学者のウィル(主人公)がコントロールしてたんでしょう(笑)

ただ根本的にストーリーはすっ飛んでますよ。よくこの脚本で2時間突っ走ったな!と、その根性を褒めてやりたくなるくらい。特段伏線回収もないし、ハリケーンの襲来は都合よすぎるタイミングでしか来ないし、悪役(犯人)はホームアローンの泥棒たちのようにボロッボロになりながらも最後まで喰らいついてくるし。もう最後の方なんて哀れすぎて、ちょっと犯人も応援しちゃおうかな~なんて(笑)
でも、あの車はかっこよかったな~「ドミネーター」。なんでも最強の災害特殊車両らしい。どうみても軍の装甲車だけどね。
主役のウィルは若干お猿顔だね~なんて思ってたら、猿の惑星のコヴァとかキングコングのモーションキャプチャーアクトだったらしい。アンディー・サーキス以外にも芸達者はいるのね。

とにかく、ストーリーのとっ散らかり具合が半端なくて、見ているこっちが「え、それってそのまま放置でもうおしまい?」ってヒヤヒヤするくらい、片っ端から散らかしていきます。もう少し片付けながらいかないとお母さんに怒られますよ!
でも、それくらいの展開には逆に突き抜けた感もあって、伏線?なんじゃそりゃ?とでもいわんばかりに馬鹿正直に突き進みます。これはこれでいいのかも。

まぁ、家のリビングでDVD鑑賞していたら・・・最後までは観ないと思う、きっと。
逆に映画館だからこそ最後まで一気に観れたのかもしれない。
そう言った意味では「映画館で観て良かった作品」と言えるのかも知れないですね。
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